映画「釈迦」に出てくる提婆は勝新太郎が演じた
親鸞会の法話では、よく映画「釈迦」が取り上げられます。
先日の親鸞会館での行事でも、高森顕徹先生が話題にされました。
というのも、この映画中、お釈迦さまの青年時代・シッタルタ太子とダイバダッタがヤショダラ姫をめぐり決闘するシーンがあります。
「釈迦に提婆あり」と言われるほど、お釈迦さまの敵として扱われるダイバダッタですが、当時のインドではそれほど有能な人物であった、という譬えです。
それにしては、アニメ「王舎城の悲劇」での提婆の様子は悪者じみていますけどね。
映画「釈迦」でも、提婆を演じるのは勝新太郎です。これまた、かなり濃いキャラクターです。
ちなみに、手塚治虫の「ブッダ」では、ダイバダッタはかなり美形に描かれています。
また、映画中でお釈迦さまを演じたのは本郷功次郎。実にカッコいいですよ。
この映画「釈迦」が製作されたのは1961年ですから、今から実に約半世紀前のことです。
皆さんは生まれていましたか?
一応、私は見た事があるのですが、当時としては巨額の制作費を投じて巨大セットや多くのエキストラを組んだと言われるほどのことだけあり、目を見張る内容になっています。
今ならCGで処理しただろうに……そう思ってしまう背景セットが次から次と出てきます。
で、今回は、少しこの映画「釈迦」について触れておきましょう。
内容は、お釈迦さまのご生誕から、ご入滅までが描かれています。
ストーリーは、生まれたばかりのお釈迦さまが「天上天下唯我独尊」と言う有名な場面から始まります。
その直後が、かのダイバダッタとの決闘です。
その決闘に打ち勝ち、見事ヤショダラ姫と結婚するシッタルタ太子ですが、人生の苦悶は止む事無く、出場入山、難行苦行を経て、仏のさとりを開かれます。
ここまではいいのですが、成道以降のお釈迦さまの姿が描かれません。……つまり、本郷功次郎の表情がスクリーンに出てこなくなります。出てきても、お釈迦さまの影だったり、遠方シーンだったりするのです。
なぜでしょう?
さすがに、仏様の様子を映像として描く事はできなかった、ということなのでしょうか?
映画は、仏教教義に深く触れることは無く、またお釈迦さまが雨乞いをしたりといったちょっと頂けない場面もあったりしますが、親鸞会の皆さんになじみの深いのは、「王舎城の悲劇」と「貧者の一灯」のシーンでしょう。
「王舎城の悲劇」については、ここで説明するまでもありません。
勝新太郎が演じる提婆にそそのかされたアジャセ太子が、ビンバシャラ王を牢に閉じ込めます。その後、アジャセは改心してダイバを追放し、お釈迦さまの教えを聞くようになります。
「貧者の一灯」とは、貧しい女性が乞食をして得たお金で油を求めようとしましたが足りず、自分の髪の毛を切って不足分の足しにして、お釈迦さまに一灯を布施することができた、という内容です。
この時、貧者の老婆を演じたのが北林谷栄さん。若いときから老け役を演じたことで有名で、アニメ「となりのトトロ」でおばあちゃん役を演じたと言えば分かるでしょうか?
ついでに申しておけば、映画の中では、夜のお釈迦さまの法話中に、ダイバダッタがやってきて、神通力を持って灯火を全部消そうとします。しかし、老婆が布施した一灯だけはなぜか消すことができず、ダイバがくやしがるというシーンになっています。
まあ、ざっと映画「釈迦」について説明しました。
参考にしてください。
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